2010.11.01
税務調査
私は自己啓発的な書籍はあまり手に取りませんが、本屋で「文章力の基本」(日本実業出版発行)を見つけ購入しました。2010年1月20日第14刷発行ということで多くの方に読まれていることがわかります。この本の内容は文章を書くための77のヒントが掲載されています。
一つ目のヒントに「短く言い切る勇気を持つ」とあります。
断言には勇気が必要です。勇気がないから長い文章でお茶を濁したくなります。これまでを振り返っても仕方がありませんので、今後は簡潔にこのコラムを書きたいと思います。
私はこのコラムを書く際にあらかじめテーマを設けて書いているのではありません。毎日顧問先の方々とお会いしているときも明確なテーマを伝えようと思っているのではなく、何気ない会話の中から「それは税法的には」と専門的な話しに進めます。その雰囲気をこのコラムでも演出したいと思っていますので、コラム全体の構成には問題があるかもしれませんが、最後まで読み進めていただくと皆さんの参考になることが含まれているはずです。
税理士に対する期待の一つに税務調査の対応があります。
私は納税者の立場に立ち、それを支援するために税務調査に同席します。毎月きちんと会社の帳簿を確認していますし、税務調査の経験もたくさんありますので、私に不安はありません。しかし、会社の方たちはそうはいきません。とても緊張します。何か大きな間違いをしていないか不安になります。
調査に来られる税務調査官は書面でのみしか会社の内容がわかりませんので、調査はまず会社の概要を聞き取ることから始まります。朝10時ころから始まり、世間話のような形から税務調査官は少しずつ会社の仕事の流れを理解していきます。このやり取りはおおよそ1時間くらいになるでしょうか。11時位には会社の方たちも少し緊張がほぐれ冗談も言えるようになってきます。
税務調査は「税金を取られてしまう」というイメージが先行しがちですが、調査を通じて「このように書類を保存するといいですよ」などと適切に指導してもらえる機会でもあります。また、税務調査に備えて、過去の資料等を再度整理する良い機会になるなど悪いことばかりではありません。